新年会 下中座 人形芝居劇

この記事は最終更新日から1年以上経過しています。
記事の内容やリンク先については現在と状況が異なる場合がありますのでご注意ください。

開催日:2016年01月10日

新年正月10日日曜日正午より本堂内特設ステージにて公演を行います。
当寺院では毎年新年会において、催し物を行っています。
今年は国指定重要無形民俗文化財 「相模人形芝居下中座」の公演を行います。
傾城阿波の鳴門 巡礼歌の段
 
解 説
夕霧伊左衛門の話に玉木家(実は伊達家)のお家騒動、阿波の海賊十郎兵衛の巷説を取り混ぜた作品である。近松門左衛門の『夕霧阿波鳴門』や並木十輔らの『けいせい睦玉川』などの影響を受けていると思われる。明和5年(1768)に近松半二らの合作で、大阪竹本座再興の際、上演された。
これまでのあらすじ
阿波徳島の城主玉木家を勘当され、帰参を願う阿波十郎兵衛は紛失した家宝・国次の刀の詮議を命じられる。主君のためには盗賊となっても詮議をしてみせると約束した十郎兵衛は、名前を変えて盗賊の仲間に入り、女房お弓とともに大阪の玉造に住家を求め、日夜刀の行方を追って苦労している。お弓が一人で留守番をしているところへ飛脚が手紙を届ける。
巡礼歌の段
それは十郎兵衛ら盗賊の悪事が露見し捕らえられた者もある。早く立ち退け、との仲間からの知らせだった。いまだに国次の刀のてがかりはなく、お弓は夫の無念を思いやると、国次の刀が見つかるまでは……と神仏に願をかけるのだった。
そこへやってきたのは巡礼の娘。幼い時に別れた両親を探して、はるばる阿波の鳴門から巡礼して歩いていると語る。その巡礼の娘おつるの身の上話に、はっと胸をつかれるお弓。おつるこそ故郷に残してきたわが娘だったのだ。切々と両親への思慕を訴えるおつるに、今すぐ抱きしめ、母と名乗りたい思いにかられながらも、盗賊の罪が娘に及ぶことを恐れたお弓は、親子の名乗りをすることができない。心を鬼にして国へ帰るよう諭すが、母親の面影も知らぬおつるにも、なぜかお弓が母のように懐かしく感じられて、このままここにおいてくれと頼む。そんないじらしい言葉を聞くお弓の胸は悲しみで張り裂けそうになるが、心強くも泣く泣くおつるを追い返す。戸外からは、おつるが悲しい声で「父母の、恵みも深き粉川寺……」と歌う巡礼歌が聞こえてくる。それもしだいに遠のいていくと、お弓はこらえきれずにその場に泣きくずれるのだった。しかし、今別れてはもう会われぬと思い直したお弓は、急いでおつるの後を追う。

この記事は最終更新日から1年以上経過しています。
記事の内容やリンク先については現在と状況が異なる場合がありますのでご注意ください。

一覧へ