釈尊成道会 (12月和讃題目講)

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十日の題目講に合わせて、お参りを行いました。
 
『成道会』
 お釈迦さまが長年の苦行をおやめになり、菩提樹(ぼだいじゅ)の下で瞑想(めいそう)して成道されたのが12月8日のこと。そこでこの日を記念して、お釈迦さまが悟られるまでの過程をしのび、悟られたことを喜び、私たちが仏道修行に励む決意を新たにする法要が「釈尊成道会(しゃくそんじょうどうえ)」なのです。
 仏教の目的は成道、つまり悟りを開くことにあります。お釈迦さまも悟りを開くために、数々の厳しい修行を積まれました。しかしそのような苦行ではとうてい悟りに至ることはできないと知り、菩提樹の下で瞑想されるのです。そして二十一日間の瞑想の後、ついに悟りを開かれ、お釈迦さまはしばらくその喜びを静かに味わっておられました。
 ところがすぐにお釈迦さまの心の中には、悟りの内容を人に伝えるべきかどうかという迷いが生じます。ここで「悟りを開いたはずなのに、迷いを生じるのは変だ」という疑問が起こるかもしれません。しかしこの迷いには、二つの理由があったとされます。一つは、悟った内容があまりに難しく、人々はとても信じることができないだろうと思われたこと。もう一つは、その難解さのために自分勝手な解釈をされては、かえって人々を混乱させてしまうのではと思われたこと。
 こうしたお釈迦さまの迷いを知った梵天(ぼんでん)や帝釈天(たいしゃくてん)などの神々が「是非お説き下さい」と懇願(こんがん)したので、お釈迦さまも心を決められたと伝えられています。この時の梵天による言葉が、大乗仏教のどの宗派も唱えている「願わくはこの功徳(くどく)をもって普(あまねく)く一切に及ぼし、我等(われら)と衆生(しゅじょう)と皆共に仏道を成ぜん」という法華経『化城喩品(けじょうゆほん)』の一節です。

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