記念すべきブログ一番目はリクエストがありました「うさぎのお話」です。
うさぎ年である令和5年2月号のバックナンバーです。1月2日の新春祈願会の際に、お檀家の皆さまにお話しした内容をまとめたものを寺報の冒頭で掲載したものです。
【月のうさぎはお釈迦さま】
今年は兎年ということで、月に住むうさぎはお釈迦様の前世の姿であるというお話を、一月二日の新春祈願会の法要後に住職からお話しました。
日蓮聖人の『松野殿女房御返事』というお手紙の中に、お釈迦様が前世で兎だったころのお話が説かれています。
兎は経行の者を供養せしかば、天帝哀れみをなし て月の中にをかせ給ひぬ。今天を仰ぎ見るに月の中に兎あり。
この文を現代語に訳すと、次のようになります。
昔、インドのうさぎは遊行中の修行者を供養した ので、帝釈天が感動して月の中に住まわせなさったということです。たしかに、今、空を仰いでみる と月の中にうさぎがいるのが見えます。
「昔、インドのうさぎ」とは、お釈迦様の前世のことです。
仏教では、お釈迦様が王子として生まれ悟りを開かれる前に、その前世において色々な善行(よい行い)を積んでいたと伝えられています。
その中のひとつである月の中のうさぎのお話は「ジャータカ」という仏典に説かれています。
どのようなお話か簡単に説明をすると、昔森の中に、兎とかわうそと山犬と猿が仲良く暮らしていました。
ある時その森に修行中のお腹をすかせた老僧がやってきました。
動物たちはその老僧に施すために、それぞれ食料を探しに出かけます。
かわうそと山犬と猿は食料を用意することができましたが、兎はどうしても見つけることができませんでした。
施しを求める修行中の老人に、食料を何も探し出すことができなかった兎は、老僧に火をおこすように頼み、じぶんが焚火の中に飛び込んでみずからの身体を食料として捧げました。
実はこの修行中の老人とは帝釈天であったのです。
帝釈天はその兎の行動に感動し、この兎の行為を神々や人間に知らせるために焚火から兎を取り出し天にかかげ、兎を月に住まわせました。
そして、満月のたびにうさぎのおおいなる慈悲の心をつたえるために、その功徳を説くようになったのです。
月にうさぎがいるのは、お餅をつくだけではなく、慈悲の心を私たちに伝えるためにいるのですね。
今年は兎年です、このお釈迦様のうさぎだったころの前世のお話を心にとめていただき、今年一年は慈悲のこころを大切に、皆さまと一緒に過ごしていけたらと思います。

