正法寺の毘沙門天ご縁日ご開帳はうちに残った古いお札(大斎三日と記載がある)により毎月3日に行なっています(しばらく途絶えていたのですが、私が平成24年に2回目の日蓮宗大荒行を成満したときに縁日の再興を念願して始めました)。この3日を縁日とする由縁が「毘沙門天功徳経」というお経です(日蓮宗は法華経を信奉しますのであまり読むことはないのですが)。どんなことが書いてあるかというと、
毘沙門天とは
1、7万8千億を数える諸仏の中で随一の仏法を護る兵士である
2、左手の宝塔は八万四千の教えと十二部経が納められ、それを見る者に知恵を授ける(普集功徳微妙という)
3、右手の如意宝珠は飲食、衣服など無限の財宝を湧き出だす(震多摩尼珠寶という)
4、身に纏う甲冑は仏道修行の妨げとなる四魔の軍を防ぐ
5、足元の邪鬼は悪業や煩悩を押さえつけるために踏んでいる(羅刹毘闍舎鬼)
6、藍婆と毘藍婆と言う2匹の鬼を従え、左の脇には吉祥天女(妻)、右の脇には善膩師童子(子供)がいる
毘沙門天を信じることによる10種類の福徳
1、尽きることの無い福
2、皆に愛される福
3、正く判断する智慧の福
4、長生きの福
5、家族や親族、周囲の人々に信頼される福
6、勝負事に勝つ福
7、田畑が豊作である福
8、家業が成功繁栄する福
9、善き教え(仏法)に出会う福
10、悟りを得られる福
毘沙門天王にお仕えする仕方
○毎月始めの3日間、身を清めて新しい服を着、北東の方(丑寅)に向かって
毘沙門天王の真言を唱えれば大きな福徳を得ること間違いない。
以上のとおり、毘沙門天のあらましが分かりやすくまとまって書いてあります。うちの毘沙門堂にも吉祥天女、善膩師童子をお祀りしていますし、大斎三日のお札も月の初めに三日間潔斎して毘沙門天に仕えて功徳をいただくこのお経から来ているのだと分かります。ところが・・
しばらくはこれで縁日を続けていこうと思ってたある日。図書館で正法寺の歴史を調べていたところ、「東都歳時記」「武江年表」という古書のなかに「山谷 正法寺毘沙門祭 開帳 千巻陀羅尼 正月十六日、五月十五日、九月十五日」という記述を見つけました・・
さて困りました。
1、毘沙門天のお使い、虎に因んで「寅の日」
2、古書の記述より「正五九の十五日(十六日?)」
3、お寺にあった木札、毘沙門天功徳経により「毎月三日」 どれにしたらいいでしょう・・
でも、毘沙門天のご威光倍増法楽荘厳を培っていくのに今までわからなかった材料が見つかったと前向きに喜ぶべきかもしれません、今は「毎月」行うことを第一に三日縁日を続けたいと思います。長い間途絶えていた正法寺の毘沙門天縁日。再興させるのはまだ始まったばかりです。これからもお寺の歴史を大切にし、毘沙門天の功徳力をより大きく皆様にお伝えできるように努力して参ります🙇。