蔦屋重三郎の供養碑へ多くのご参拝を頂いています。今まで注目やお参りに来られる方の少なかった当山としては本当にありがたく思います。
何ヶ月か前ですが、お参りにいらした女性の方とお話ししていたら、その方達が今回ご紹介するライター・編集者の山脇さんと出版社の井上さんで、今蔦屋重三郎に関する本を書いているとのことでした。「どんな著作なんですか?」とお聞きしたら、蔦屋重三郎が出版した作品「黄表紙」についての本と聞いて大変興味深く、出版されるのをとても楽しみにしていました。
杉浦日向子さんの「江戸へようこそ」という本の中に恋川春町の「金々先生栄花夢」がト書きを現代語に直して載っています。これが面白くて、昔話のような、漫画のような、江戸のあっけらかんとした感じが現代の不条理マンガみたいです(「つっこみどころ満載」とはその通り)。もっと読みたいけど元の作品は崩し字で私には読みにくく現代語の読みやすい本がないかなと思っていました。
この度、発売にあたり時事通信出版の井上さまからできたばかりの本をお送り頂きました。ありがとうございます!江戸戯作研究の中村正明先生との対談の形で、崩し字の読み方から黄表紙実物の写真や製本の仕方、作品の詳しい解説から蔦屋重三郎の紹介まで盛りだくさんです(正法寺もご紹介いただいきました)。いま蔦屋重三郎の本がたくさん出版されています。本人の人となりや生涯を描いたものが多いですが、作った本の内容にスポットを当てたものは意外と少なく他と違った角度から蔦重を知ることができるおすすめの本だと思います。
山脇さま、井上さま、ご出版おめでとうございます。楽しみに読ませて頂き、お寺のブックコーナーにも置いて皆さんにご覧いただきたいと思います。ご恵送頂きありがとうございました。