千鳥ヶ淵戦没者慰霊法要

 終戦記念日に当たる本日8月15日、千鳥ヶ淵戦没者墓苑で行われる日蓮宗慰霊法要に出仕しました。毎年修法師会(荒行成満僧、日蓮宗祈祷師の会)として参加し、戦没者への木剣祈祷を厳修しています。当日は日蓮宗が一番はじめの法要を勤めており、その後総理大臣もご参拝をされています。

 遺骨収集の努力により、令和6年5月現在37万700柱の戦没者のご遺骨が六角堂内の棺に収められています。終戦を8月の暑さと共に重く感じ、日蓮宗宗務総長の表白文、ご遺族で或る墓苑奉仕会理事長様のごあいさつを伺うと毎年ながら戦死者供養の大切さに身の引き締まる思いがします。

 坊さんになったばかりの頃、お盆の棚経で戦争でご家族を亡くされたお爺さんとお話しをしていて「あなたは8月15日靖国神社にいったことある?」と聞かれました。行ったことがないと答えると「それはいけない、ぜひ一度行ってお経をあげてほしい!」と普段穏やかなその方が強くおっしゃったことが忘れられません。

 この日我々修法師は木剣祈祷の中の「擁護段」という部分を行います。妙法経力諸天善神の「擁護」をもって戦没者の御霊が安らかに得道成仏されますよう、また戦没者の仏の姿が我々を2度と戦争を行わないよう戒め「擁護」を賜りますよう、「立正安国世界平和」の祈りを捧げます。今日の修法出仕は私の中で「祈祷擁護段の意味」を考える一年の内でも特別な日であります。

 日蓮宗の僧侶だけでなく、大勢の一般の方々も参列されていました。機会がありましたら千鳥ヶ淵戦没者墓苑へ足をお運びいただければありがたいと思っております。

PREV

NEXT

一覧へ

PREV

NEXT

一覧へ