日本国内で新型コロナウイルスの感染が確認されてからほぼ一年が経ちました。それからの社会活動は自粛生活を余儀なくされ、多くの生活様式が変化しました。
企業においては、人と人との接触を避けるためにリモートでの会議が行われたり、我々仏教界においても蜜を避けるという意味合いから、葬儀や法事は簡略化されています。中にはこの葬儀や法事をリモートで行うというお寺さんもあるようです。非常事態の中ですから致し方のないことですが、やはり仏様と相対するという行為に関してはリモートでは伝えきれない空気があるのではないでしょうか?
これから先、リモートの便利さを知った今、元の生活に戻ることは難しいでしょう。画面上のボタン一つで物が届けられ、人と会わずにラインで会話が成立したり、便利さを求め続ける中で失い続けたものも多いように感じます。
このような中でも、ひと手間加えることの大事さや、煩わしいことこそ行ってみることの大切さを今一度考えてみたいと思います。