尼僧になって6

林先生

私は高校を身延、大学を立正で学びました。
とても恵まれた充実した学生生活でした。
何の迷いもなく日蓮聖人の息吹きに触れることが出来ることを、とても大切に感謝して過ごした日々でした。
あれから30年 あっという間に時は過ぎ、あの7年間を活かしている事が出来ているのかと日々、自問自答をしながら過ごしています。
法華経を信仰すれば、怨敵が現れる 日蓮聖人、先師の方々も、布教する前から猛然、毅然と行に励まれ、その決意を試す。
僧侶として生かされている日々は、その毎日でなければいけないと、自分なりに過ごした30年でもありました。
思えば、高校生の時 宿坊の御宝前で法要式の授業がありました。
女性1人だった私は、おそらく枠外で見ていなさいと言われるばかりだと思っていると、
林先生が、女性でも、本当にこの道で生きていこうとするならば、しっかり枠内に入って
学びなさいと、進んで金座の隣に座らせたのです。
逞しく厳かに、法要を学び、奉行する。人の目に触れることが、人に感動を与え、仏種血縁となるように・・
先日、20代の女性達に、1時間半の読経、法華経の尊さを話しました。何の疑いもなく、私を見つめ、しっかりと聞いて頂きました。
そしてふと、御宝前を背に、人に法華経を説く立場になった自分が16歳のころ、勇気を与えてくれた、林先生を思い出し、感謝をしました。
アオモリガエルの孵化を観察しに、導服姿で山道を歩いた記憶が懐かしい、背が高くすらっとした林先生との思い出です。

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