妙法寺について

 古典落語の代表的な演目のひとつ「堀之内」の舞台・堀之内妙法寺(山田日潮貫首)。あわてんぼうの熊五郎がそそっかしい癖を信心で治そうと、厄除けの霊験あらたかな同寺のお祖師さまにお参りしようとする。その珍道中を面白おかしく語るのがこの落語で、江戸の庶民の信仰として賑わった往時の参道が偲ばれる。
 落語との深い縁は、今も変わらぬ妙法寺の伝統だ。毎月23日には「堀之内寄席」という落語会が書院で開催される。「落語で有名にしてもらった恩返しとして、若手の落語家に活躍の場を提供したい」という寺の意向で始まり、回を重ねること180回以上。かれこれ15年以上続く名物イベントとして定着している。出演するのは二つ目と呼ばれる、真打ちになる前の若手落語家たちだ。
 木戸銭は格安の5百円でお菓子とお茶が付く。もちろん赤字運営だ。それならばと、同寺の万灯講のメンバーが会場の準備や後片付けに駆けつける。寺院と檀信徒が一体でイベントを支えるのが「庶民の寺」として親しまれる妙法寺らしいところだ。江戸っ子の心意気は、寺に講中に今も脈々と息づいている。「江戸の昔から厄除けの寺として庶民に支えられて賑わってきた所ですから」と松岡教詔執事長は語る。
 人には特に厄災のおそれがあるとして、身を慎まなくてはならない年齢がある。厄年のことだ。男性なら25、42歳、女性なら19、33歳が本厄年とされている。これらの年齢は身体の変わり目となる頃合いで、特に健康に注意する必要があるという医学的な根拠もあるとか。厄=体調不良とするなら、厄除けは時代を超え、「健康」という人間の永遠の願いに通じる。笑いは健康のもとと言われるが、そう考えると厄除けの寺と落語というのはみごとな組み合わせだと思えてくる。笑いなくして健康なし。健康なくして幸福なし。笑う門には福来るということだ。人の幸せとは、このように身近なところにあるささやかなものなのだ。
 笑いのひと時に憩いを求めて集まる人。厄除けの祈りに来る人。深い信仰心の拠り所として参拝する人。人それぞれだが、みんな市井の片隅で穏やかに暮らすことを願う善男善女たちなのだ。祖師の願った立正安国とは、実はこんな善男善女の抱く小さな幸せへの祈りをひとつにまとめた世界なのだろう。
 昔も今もこれからも、妙法寺は庶民の信仰や願いを集め続けていくことだろう。うららかな小春日和、境内に立つとそんな思いがよぎる。

縁起・・・
元和年間(1615~24)当初、碑文谷法華寺の末寺だったが、法華寺が徳川幕府の圧力で天台宗に改宗させられたことにより妙法寺は身延山久遠寺の直末に。この折りに法華寺から六老僧・日朗上人作の宗祖尊像を妙法寺に遷座。この像は日蓮聖人伊豆流罪のとき、日朗上人が鎌倉由比ヶ浜に流れ着いた霊木に聖人の姿を刻み礼拝したもの。後に聖人はこれを開眼して日朗上人に授けた。伊豆法難のとき聖人は42歳の厄年だったことから「やくよけ祖師」と呼ばれ、庶民の信仰を集めた。

ごあいさつ

江戸時代より信仰を集める、やくよけのお祖師様をご奉安しております。
都会にありながらたくさんの木々に覆われた境内には、国指定重要文化財などの多くの建造物があります。
お気軽にご参拝ください。
詳しくはホームページをご覧下さい。
http://www.yakuyoke.or.jp/

住所

〒166-0013 東京都杉並区堀之内3-48-8

交通アクセス

電車:
・電車東京メトロ 丸ノ内線
 東高円寺駅 徒歩1.2km(15分) 消費カロリー55kCal
 新高円寺駅 徒歩1.0km (13分) 消費カロリー44kCal
・JR中央線
 高円寺駅 タクシー2km(5分)

バス堀之内停留所
(宿91) 新宿駅西口9番乗場~堀ノ内停留所~新代田駅行
(渋66) JR阿佐ヶ谷駅前~堀ノ内停留所~渋谷駅
(高46) JR高円寺駅南口~堀ノ内停留所~佼成病院
※(都バス・京王バス共同運行)
徒歩 堀ノ内バス停より300m5分)消費カロリー15kCal

車環状7号線
妙法寺入口交差点より駐車場の案内に沿ってお越しください。
駐車スペース 第1駐車場30台 / 第2駐車場87台
※歩いてお越しの場合は「妙法寺東」交差点からお越しください。

※掲載されている距離・時間・カロリーはおおその数値です。

正式名称 日圓山 妙法寺(みょうほうじ)
住所 〒166-0013 東京都杉並区堀之内3-48-8
駐車場 有・80台
電話番号 03-3313-6241
メールアドレス kyohmu@yakuyoke.or.jp
公式サイト http://www.yakuyoke.or.jp/