当山に、古くからお祀りされている歯神さま。
東京大空襲の戦火に遭い、お寺の古い資料は焼失してしまっているので、いつ頃からお祀りされているかは不明です。
古地図を見ますと、深川御舩蔵前に『権現』という場所があります。江戸時代、この場所に『歯神大権現』がお祀りされていたという歴史があります。この『歯神大権現』が、当山の歯神さまと関係があるのかはわかりませんが、これから歴史を探っていきたいと思います。
さて、当山の歯神さまは、かつて、近所の子供達が歯ブラシを持ってお参りに来たと伝えられています。新しい歯ブラシを買ってもらった時、赤ちゃんの歯が生え始めた時、虫歯になってしまった時、乳歯が抜けた時など、それぞれに願いをもってお参りに来たことでしょう。
現在も、お檀家さんやご信者さんのみならず、近隣にお住いの方や時には遠方からも、老若男女問わずお参りの方がいらっしゃいます。特に、親子でのお参りやご家族でお参りに来られる方が多く見られます。
お釈迦様は、法華経の教えの中で、「この経典は奥深くてすばらしいものだ。千万劫という長い時を経ても、出会うことは難しい。そこで、その言葉を受けて、短い時間でも聴聞した人の福の果報として、世世にわたって口の病いはなく、歯がすいたり、色が変色したりすることはないだろう。唇や舌が変色をしたりすることもなく、顔かたりは端正で厳かであり、その人に会いたいと思われるようになり、口からは蓮華の香りが常に出ているであろう」(妙法蓮華経随喜功徳品第十八)と説かれました。
歯は、健康の源。身体に栄養を入れる場所です。歯の健康、発育など、どうぞ深川歯神さまへお参りにいらしてください。