7月14日小学生の時の思い出

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みなさんこんにちは。今日も雨がかなり降りましたね。夜中から午前中にかけてドカッと降っては時々止む、という風でした。崖崩れ、増水等の被害が広がらないことを祈ります。
さて今日の午前中ある檀家さんのお宅に七回忌のご法事に伺いました。この方(Sさん)とは個人的思い出がありましたので、ご法事が終わった後でその思い出話を少し致しました。Sさんはお若い頃に捕鯨船に乗られていて、その後大村湾で漁に出ておられました。小学生の頃、釣りにとても興味があった私は住職(父)にお願いしてもらい、Sさんに船釣りに連れて行ってもらったのです。(確か先代住職である私の祖父、そして祖母は「お坊さんになる人が殺生はあんまりよくないよ」、、と少し渋い顔をしたような気がしますが)
とてもよく晴れた日でした。釣り船に乗せてもらって初めて出る大村湾の景色。モーターの付けてある小さい船ですが、思ったよりもスピードが出ること、船の縁(へり)が海面にすごく近いことにとても驚き、そして海面を滑るように走るのがとても気持ちが良く、最後尾で船を操縦する、帽子をかぶって日に焼けたSさんがとても格好良く見えたことが思い出されます。
Sさんは海に出ると、えさの付け方、釣り方などを優しく丁寧に教えてくれました。切って皮をむいてあるエビを2本ある釣り針にしっかりと付けます。手に[てぐす](釣り糸)を持ち両手でスルスルと海の中に落としていきます。
一番先に付いているおもりが海底に「コトン」と付くと根掛かり(底にひっかかる)しないように少し底を切り、魚を誘うようにして[てぐす]をゆっくりゆっくり上下に動かします。
「ゴツン!」という当たり(魚信)があったら慌てずに大きくあわせる動作をして、スルスルと[てぐす]を引き寄せます。海面から顔を出したのは大きな口を開けた赤い魚「あらかぶ(カサゴ)」です。Sさんに丁寧に教えてもらって要領を得、何匹も何匹も釣り上げることができました。
私はとても嬉しくて、本当に楽しく、満足していたのですがSさんは「どうしてもキスゴ(シロギス、白くてとても美しい細身の魚)を釣らせてあげたい。」といって何度も何度もポイントを変えてくれました。私はシロギスを釣ることは出来ませんでしたが、Sさんはシロギスを何匹か釣り上げてその美しい姿を見せてくれました。その上そのシロギスとあらかぶ(カサゴ)を船の上でさっと捌(さば)いて刺身で食べさせてくれたのです。少し濃い醤油をつけた白身の刺身はとてもコリコリとして甘くて美味しかったのをよく覚えています。(実はその頃まで刺身は余り好きではなかったのですが、この頃から少しずつ食べられるようになっていきました。)
多分お寺さんはどこもそうでしょうが、父がお坊さん、ウチがお寺ということで日々忙しく、あまりよそに遊びに連れて行ってもらった記憶がないのもあってか(笑)このSさんに連れて行ってもらった船釣りの1日は、私の小さい頃の最高に大切な思い出としてしっかり心に刻まれています。
こんなことを思いだしながら一生懸命お経を読み、お題目を唱えました。ご家族もご親戚も皆さん大きな声で一緒にお唱えをして下さり、お陰様でとてもいい法要になりました。
最後に話をしていると、お孫さんもすこし涙ぐんでいらっしゃいました。きっとおじいちゃんとの船釣りの思い出が蘇ったのだろうと思いました。私もちょっと涙が出そうになりました。最近すぐ涙が出てくるので困ります。子供の頃可愛がってくれたご信者のおじいちゃんおばあちゃんはほとんど亡くなられてしまいました。私も大分年をとったのだと思います。
あの可愛がってくれたおじいちゃんおばあちゃんの為にも、これから頑張ろうと思います。
泰通記

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