別に悲観論者ではないんですが

この記事は最終更新日から1年以上経過しています。
記事の内容やリンク先については現在と状況が異なる場合がありますのでご注意ください。

 滲む塔婆に苦労しながらも、施餓鬼塔婆書きは順調に進み、この分だと予定よりだいぶ早く書き終わりそうです。ずっと書き続けるのも集中力が持たないので、一日のノルマを終えると気分転換に本を読んでいます。今は司馬遼太郎の「坂の上の雲」。十数年ぶりの再読ですが、相変わらず引き込まれますね。日露戦争当時の話ですが、現在にも当てはまることがかなりあると思います。第四巻186頁に「有能無能は人間の全人的な価値評価の基準にならないにせよ、高級軍人のばあいは有能であることが絶対の条件であるべきであった。かれらはその作戦能力において国家と民族の安危を背負っており、現実の戦闘においては無能であるがためにその麾下の兵士たちをすさまじい惨禍へ追いこむことになるのである」という一文がありますが、この文中の「高級軍人」を「政治家」、「戦闘」を「外交と内政」、「兵士」を「国民」に置き換えると、これからの日本の行く末を予言しているようで、暗澹たる気持ちになります。

この記事は最終更新日から1年以上経過しています。
記事の内容やリンク先については現在と状況が異なる場合がありますのでご注意ください。

一覧へ