平成30年度 秋季彼岸法要

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開催日:2018年09月23日

こんにちは。
10月に入りました。先日の台風が過ぎて、この季節にしては異例の暑さが戻り、夏を思い出すような日が続きましたね。
そして今日は雨。この雨を境にグッとまた季節が進むと、テレビの天気予報で見ました。
法傳寺では夏の施餓鬼に始まり、秋の彼岸、10月の大黒祭、11月の御会式、そして年末の水行会祈願と毎月行事が続きます。
夏の施餓鬼と秋の彼岸はひと月程しか間がありませんが、やはりお寺も夏から秋の空気になっていて、秋は静けさと言うか、静寂な雰囲気が特に漂う行事に感じます。今回はこの行事で感じた事を書きたいと思います。
秋の彼岸で何時も感じる事が、夏のお盆という、皆さんが一年の中でも特に先祖供養について意識される期間が過ぎた秋の彼岸は、塔婆の数から見てもわかるように、やや小規模になりがちです。夏に先祖供養をして、どうしてまたすぐに同じような事が行われるのだろう・・・と思われている方も多いのはないでしょうか。
お盆とお彼岸の違いを簡単に言うと、お盆は御先祖様が帰って来るので、私たちがお迎えし供養する期間。また餓鬼に施しをする期間。(施餓鬼会)
お彼岸はあの世とこの世が最も近くなる・通じ合う日(中日といって、秋分の日と春分の日がそれに当たる)に私たちが御先祖様の元に出向いて供養をする期間となります。
また、彼岸の法要でもお話させて頂きましたが、彼岸は自身の仏道修行の期間にも当たり、私たちが実施すべき6つの徳目(六波羅蜜ろくはらみつ)を行う期間ともされています。六波羅蜜の6つの事とは、布施(施しをすること)・忍辱にんにく(耐え忍ぶこと)・持戒(約束を守ること)・精進(努力すること)・禅定(見つめ直すこと)・知恵(修行すること)の6つです。
人が生きていく上での良いこと悪いことを判断し、正しい行ないが出来るように、中日を除く彼岸入りから彼岸明けまでの6日間に、一つずつ行うという大切な期間です。ですから彼岸では先祖供養はもちろん、今を生きる私たち自身を見つめ直し、この命に感謝する日でもあるのです。
お彼岸は、確かにお盆からあっという間に感じて省略してしまいがちな時期なのかもしれません。ですが、一つずつの意味を知ることから始めていけば、通り過ぎてしまいがちな秋のお彼岸が、この命を繋いで下さった御先祖様に感謝し、そして自身を振り返り、また始め直すきっかけになるのではないかと思います。心を落ち着けて、ゆっくり自分と対話出来る時間を、彼岸の機会に作ってみてはいかがでしょうか。

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