二月 なまぐさ説法

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   命の意味                                           平成30年2月
 

  大寒をとっくに過ぎたと言うのに、寒さは一向に穏やかになりません。
暖かい日が続いたので、急な気温の落込みは体感温度も低く感じます。 一年で最も寒さ厳しい時期ですから当たり前です。
この時期に武道や水泳などの稽古を行う事を寒稽古と言います。
体力と共に精神力を養う一番適当な時期とも言えますね。日蓮宗では11月1日より始まっております大荒行も2月10日で成満(じょうまん)修了致します。1日のはじめ午前3時より水をかぶり、3時間毎に7回。午前5時と午後5時の重湯のみで100日間修行する過酷なものです。しかしこの時期でなければ病人も多くでるでしょうし、精神力も持ちません。意外に寒さは精神力で克服できるものかも知れません。
 皆様はお風呂に浸かったあと、すぐに着替えて暖かいうちに休もうと考えられておられることでしょう。
しかしこの行為が意外に風邪をひきやすくさせます。上がられる前に体全体は厳しいでしょうが、冷たい水をせめて足にかけて出るだけで毛穴が締まり湯冷めしにくい身体になって風邪を引きにくくします。たったこれだけの行為で風邪から身を守れるとしても、せっかく温まった体に冷たい水をかけるなんて〜〜と思っておられるでしょう。しかし、意外な効果があります。上がったあとは反対にポカポカとして身体が温もるのです。ぜひお試し下さい。
 日も少しずつ長くなって来ました。春はすぐそこまで来ています。
さて今月は命のお話です。
命の意味は言い渡すということだとご存知ですか?命・言い渡す?なんの事かチンプンカンプンですね。
 命という漢字を分解すると口と令になります。つまり漢字そのものが口で言い渡すという字になっているのです。
 熟語に直すと理解出来ます。命名は名前を言い渡すと言う意味です。命令は厳重に言い渡すと言う意味になります。運命とは言い渡された巡りあわせとなります。余命とは言い渡された残りの日々となりますね。どうですか?納得出来るでしょう。
 では我々の命の本当の意味は生命にあります。生きることを言い渡されたと言う事です。
誰に言い渡されたかと言うと前世に縁のあった方々にです。
神様かも知れません。仏様かも知れません。もっと身近な親からかも知れません。前世で出会った恋人からかも知れません。
愛する想いがあれば、相手に生きて欲しいと思うのはこの世でも同じです。余命を宣告されても出来る限り生きてほしいと願います。その思いに対して生きようと前向きに思うことが出来るかどうかです。この世で人々が願うことがその相手の来世に繋がります。つまり我々は生きることを言い渡されてこの世に生まれてきました。また、生きる事を言い渡して来世に向かいます。
お釈迦様はこの命の前にも後にも命は繋がって存在すると説かれています。愛する者より言い渡されて生まれる事の出来たこの命の尊さを深く考え、1日1日を大切に生きる事こそ、前世、もしくはこの世で言い渡された命の尊さです。
時には自らの体にも喝を入れ、不摂生をせずこの寒さを乗り切ってくださいね。

                                                                  法傳寺霊神祭より引用

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