@供養の心としきたり( ー人ー)|||~~~ ナム…葬儀(4)

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第一章 葬儀について
 
今回は引き続き『枕飾り』についてご紹介します。
本日の (´ρ)ヘぇー その1 一膳飯や、先の枕団子は呪術的な目的があると言われています。それは亡くなった人を蘇らせる為・生き返って欲しいと言う願いの為のもので、それで急いで炊くと言う説があるのです。その為には、米を研(と)がなかったり、生煮えにするという方法が取られました (´ρ)ヘぇー
 
その2
亡くなった人に供える浄水には、「虫が飛び込んできても死なないようにと、葉を一枚浮かべておく」という説や、「虫が水を飲みに来た時に、樒や蓮の葉にとまって水が飲めるようにという配慮から葉を浮かべる」という説もあります (´ρ)ヘぇー   その3 日蓮宗では、根本煩悩である無明(むみょう)を取り除く為に、「元品(がんぽん)の無明を切る大利剣(だいりけん)」と唱えます。守り刀によって無明を除く意味もあるのですられました (´ρ)ヘぇー(´ρ)ヘぇー(´ρ)ヘぇー
Q15 一膳飯は玄米
 
A 故人に供えるお膳を一膳飯(いちぜんめし)・枕膳(まくらぜん)・枕飯(まくらめし)・枕供(まくらく)などと言います。
一膳飯は、死者の枕膳ですから、日常私達が頂く食事の時に一膳飯は、嫌がられています。
一膳飯の作り方は、故人の分の玄米(げんまい)を外竃(そとかまど・外に臨時に作った竃)で炊きます。そして、生前に使用していた茶碗に炊いたご飯を高盛し、そのお茶碗の中央に故人のお箸を立てます。
茶碗の二倍の高さに盛る大高盛は、冥土の旅に向けてのご馳走という意味があります。また、食物が肉体を養うならば、魂も養うという考えから、魂の形と想像される丸形にして供えたと言う説もあります。
この一膳飯や、先の枕団子は呪術的な目的があると言われています。それは亡くなった人を蘇らせる為・生き返って欲しいと言う願いの為のもので、それで急いで炊くと言う説があるのです。その為には、米を研(と)がなかったり、生煮えにするという方法が取られました。
古来、お米や穀類などは、悪魔を払うと同時に再生のシンボルとも考えられてきました。ですから、一膳飯に玄米を使うという意味は、刈り取ったものをできるだけ加工することなく供える必要があった為の習慣です。つまり、研がなかったり、半煮えにするのは、その再生の力が減じられることを避ける為と考えられます。
白米からは芽が出ませんが、玄米は水につけておけば適当な温度があれば芽が出て再生・蘇生します。
ただ、町中では玄米を手に入れることが難しくなってきましたので、白米でも良いでしょうが、できれば玄米にしてあげたらよろしいでしょう。
この一膳飯も枕団子と同様に枕飾りの時だけで、忌中の時のお供えは、お仏飯でお供えします。
ですから、枕飾りでお供えした一膳飯や枕団子は、葬儀が終わってから半紙に包んでお棺の中に入れてあげる方法もよいでしょう。
 
Q16 一膳飯にお箸を立てる
 
A お箸を立てるのは、線香を一本供えることと同様に、真っ直ぐ浄土・天に向かって欲しいという意味があります。
また他に、忌みかかった死者のご飯を示す為、お箸をご飯にさすことで他の人に分配しない為とも言われています。
箸は、できれば故人の使っていたものがよいでしょう。
本数は二本使います。「死」を忌み嫌う意味から、日常と違ったことをしますから、一本にすべきだという説もありますが、それではご飯を食べられません。そこで正面から見て一本に見えるように立てる方法がよいと考えられたのです。
 
Q17 味噌と塩のお供え
 
A 能勢地方では、お皿にお味噌とお塩をそれぞれ盛って供えます。またお味噌だけを供える場合もあります。
お味噌は、一膳飯の「おかず」として供えられるようです。それは、お味噌が以前は大変なご馳走であったと言うことから、そのご馳走をお供えするようになったのでしょう。
お塩もご飯にはつきものと言うことでお供えされたと考えられます。
 
Q18 浄水と樒の葉
 
A 浄水を湯飲みや、コップに入れてお供えします。葬儀社が持ってくる物は白い湯飲みですが、それまでは、普通の湯飲みを使ってもよいでしょう。
仏様に供える浄水は「閼伽(あか)」と言い、梵語の「アルガ」を音写したものです。意味は、功徳水のことです。仏様に閼伽を御給仕するように、亡くなった人にも浄水をお供えします。
樒(しきみ)の葉っぱを一枚浮かべるのは、末期の水に使われたことを意味しています。ですから、弔問に訪れた方は、この樒の葉を使って唇を湿らせてあげるとよろしいでしょう。
また、「虫が飛び込んできても死なないようにと、葉を一枚浮かべておく」と言う説や、「虫が水を飲みに来た時に、樒や蓮の葉にとまって水が飲めるようにと言う配慮から葉を浮かべる」という説もあります。つまり、亡くなった人への徳の為でしょう。
 
Q19 棺掛けの意味
 
A 亡くなった人の掛け布団や棺桶の上に棺掛け(かんかけ)をかけます。棺掛けに使う生地は金襴製が多いようですが、この金襴の生地を使うことには魔除けの意味があります。
お経には、「お釈迦様が入滅の時、お弟子さんが着物を奉納しました。お釈迦様は、哀愍(あいみん・悲しみ憐れむこと)して、すぐにこれを受け、身上に被(おお)われた」と、言う故事が説かれています。
地域によっては、棺掛けに一張羅の晴れ着を用いる習慣があります。その理由としては、次のようなものがあります。

人生の最後を飾る晴れ着として
経帷子(きょうかたびら)の上に着るものとして
浄土で仏の仲間入りをするときの着替えとして
三途の川の岸辺で鬼老婆に白衣をもぎ取られないために晴れ着を土産とする

などがあります。
また、他の地域によると、以前野辺送りがあったときは、晴れ着を棺に掛けて葬場まで行っていたそうですが、火葬になってからは、晴れ着は出棺の時にはずして仏間に置き、納棺後菩提寺に寄進すると言う所もあります。その寄進された棺掛けを菩提寺では、四十九日間、本堂に掛けたり、施主家の位牌壇に供える所もあるようです。
能勢地域には、四十九日まで亡くなった人の着物(肌着)の着替えを北側のできるだけ高い所に掛けておくという習慣があるようです。北側という方角について正確には、北東・つまり艮(丑寅・うしとら)になると思われます。人が亡くなると艮の方角に行きます。北東という鬼門は、亡くなった人の通り道なのです。鬼とは、亡くなった人を表しています。また、人が亡くなると鬼籍(きせき)に入るとも言います。亡くなった人が祟ることもあり恐ろしいというイメージから鬼というものができあがりました。
鬼は牛の角と体、虎の牙と爪を持ち、虎の皮を身に付けているとされました。この姿は、陰陽道(おんみょうどう)などの影響を受け平安時代に確立したものです。
また高い所に肌着を掛ける意味は、亡くなった魂が上昇すると考えられているからです。
他に、棺掛けのことを七条袈裟(しちじょうけさ)と呼ぶ宗派もありますが、おカミソリの儀式と同様、袈裟をつけて出家すると言う意味があるようです。
棺掛けを逆さまにする所もありますが、その理由は、儒教の影響を受けていると考えられています。
 
Q20 守り刀の意味
 
A 遺体の掛け布団や棺掛けの上には、守り刀を置く習わしがあります。
これは、魔よけのお守りとして、遺体に悪霊や物の怪が取り付かないようにするものです。昔、武士の死者が枕元に刀を置いたことに習ったようです。
一般には刀ではなく、小刀・カミソリ・包丁・ハサミ・鎌などを置く例も多いようです。つまりこれらの刃物の光によって、邪悪なもの(魔)を追い払うという意味があるようです。
日蓮宗では、根本煩悩である無明(むみょう)を取り除く為に、「元品(がんぽん)の無明を切る大利剣(だいりけん)」と唱えます。この守り刀によって無明を除く意味もあるのです。
ある地域では「土葬の時、普段使っている鎌が使われ、埋葬後はその鎌をお墓の魔除けとしていた」と、言われています。
守り刀を置く場合は、刃先を足の方に向けます。鎌の場合は、枕元に置き、刃は亡くなった人の方には向けません。
守り刀には、自前の脇差しを持っている人もいるようですが、最近では葬儀社が用意したものを使うことが多いようです。
 
★大阪豊能宗務所発行『供養の心としきたり』より★

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