お経を上げる意味

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※2022年寺報とほぼ同じ内容です。

お経を上げることには、少なくとも5つの意味があります。

私たちがお経を上げる意味をまとめます。

 

誓願の成就(せいがん の じょうじゅ)

この世は決して平和で過ごしやすいところではありません。

世界の乱れは、人間が自分の欲望の虜になった結果起こります。

人々が仏様の教えの力で欲望から解放され、世界平和が実現することを祈ります。

また、そのために自分にできることがあれば力を尽くすことを誓います。

 

供養(くよう)

皆様のご先祖様や、戦死者・病没者・事故や天災による死者、

さらには人間のみならずすべての命の冥福を祈ります。

ですので、菩提寺をお持ちの方は、

そのお寺の方がご先祖様の供養をしてくださっているものとご理解ください。

しかし、皆様自身が供養をされるのが一番ですから、

どうかお寺任せにせず、ご自身でもぜひお勤めください。

 

祈願(きがん)

縁あるすべての方が健康で、安全で、

毎日の行いが仏様の教えに違わないことを祈ります。

また、いまだ縁がなく、

仏様の教えを知らない方がご縁を得られることもお祈りします。

 

報恩(ほうおん)

いま私たちが仏様の教えに触れることができるのは、

お釈迦様や日蓮聖人を始めとする、多くの先師のおかげです。

先師たちと、気づかぬうちに守ってくださっているはずの、

私たちには見えない方々に対して、感謝の意を伝えます。

肉体を持たない存在は、私たちのように食べ物を摂取する必要がありません。

しかしながら、お経は「法味(ほうみ)」と言い、

お経を聞くことを我々にとっての食事のように楽しみにしておられます。

法味を捧げ、これからもお守りいただけることを祈ります。

 

罪障消滅(ざいしょう しょうめつ)

自分の罪を滅ぼし、償うことを言います。

私たちに罪などあるのでしょうか?

残念ながらあります。

私がいま生きているのは、食べることで他の命を奪った結果です。

また、知らないだけで、自分の言動に困ったり苦しんだ人がいるかもしれません。

このような罪が重なると来世は恐ろしいことになります。

ですので、自覚のないものを含め、罪を償うことが重要になってきます。

私たちの奪った命や関わった人々を踏み越えて仏になるのではなく、

それらすべてを背負って仏になるのだというつもりで生きていきましょう。

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