東北訪問 最終日

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東北記事の続きです。
 
東北訪問、最終日の3月12日は、朝5時に仙台のホテルを出発し、30分車を走らせ名取市閖上(ゆりあげ)地区に向かいました。
閖上地区は宮城県の沿岸ぞいに位置し、津波により多くの方が犠牲になられた場所です。そちらで約1時間半行脚を行いました。
 
行脚中は、常に海風が吹き付け、すぐに指先がかじかみ体温が奪われていきました。震災の起きた年の翌日も同じように被災者に無情に吹き付けていたと思うと、心が辛くなりました。ただ、当たり前のように吹き付ける風は、土地を切り開き住宅を立ち並べ、環境に対して寒いや暑いなど愚痴をついてしまう自分勝手な我々に対して、戒めているようにも感じました。
 
その後、身延山に向かいました。15時40分に到着し、まず身延山大学で現在制作中である『悲母観世音菩薩像』を拝見いたしました。
 
こちらの観音像には、昨年に頂妙寺様で開催されました『いのりんぴっく』の参加者が復興祈願のために書写されたお経が納められております。
彫刻の初期段階では、観音様の制作に携わりたいと志願された方々が全国各地から集まり、一人一人が思いを込めてノミをいれたそうです。これまでは完成してから手を合わせ祈っていた仏像が、今回は東日本大震災を受けて供養や復興への祈りが仏像を形づけていました。
観音像の制作を手掛けておられる身延山大学の柳本先生は『今回、観音様を制作していて気づいた事は、皆が思いをこめて仏像を掘る時代になっている』と仰っておられました。
 
 
完成後は岩手県陸前高田市の妙恩寺さまに奉安される予定ですが、ご希望であれば被災地のどこにでも出開帳できるように作られておりました。
 
続いて、日蓮聖人のご遺骨がお祀りされている御廟所でご回向をし、今回の東北訪問の締めくくりと致しました。そして一路京都に向かい、約5時間かけて帰宅したのが23時15分でした。
 
3月9日から12日で移動した距離は約2100㎞とハードな日程ではありました。しかし、ボランティア、慰霊法要、開眼法要、慰霊行脚、身延山参拝と大変充実した内容となり、感じたことも多かった東北訪問でした。

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