寺庭婦人のための仏教講座 第15回

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 7月26日(金)午後2時より第15回「寺庭婦人のための仏教講座」を開講しました。気温は32℃。暑いですね。昨年の7月の講座の日は気温34℃で、出席者はたったの6名。今年は8名でしたから、気温とやる気は関連性があるのかも知れませんね。
 今回は「見宝塔品第11」と「提婆達多品第12」です。大事なところなので、全員に聞いて欲しかったんですけどね。「是に釈迦牟尼仏仏右の指を以て七宝塔の戸を開きたもう」で、なぜ釈尊は右の手で扉を開かれたのか、「二仏並座」ではなぜ釈尊が向かって左側に坐られているのか、についてお話ししました。中国や日本は基本的に左尊右卑。「天子南面」といって、皇帝や天皇が南に向いて立った時に、日の出の方角=左が上座、日没の方角=右が下座とする。だから、向かって右の左大臣が上位です。ですから、雛人形は当然お内裏さまが向かって右なのですが、いつのまにやら逆になってしまい。結婚披露宴でも新郎は向かって左。これは西洋式ですよ。どうも大正天皇に原因があるみたいですけど。
 だけど、インドでは右尊左卑。左はウンチを拭く手なので、右が上位です。日蓮聖人はインド式で、釈尊を向かって左にハイチされたのんですよ、と説明したんですが、途中で左と右が混乱してしまいました。
 提婆品では当然、悪人成仏と女人成仏のお話し。大問題はやはり「変成男子」です。○○先生は、竜女が男であるお釈迦さまと同じ姿に変わったように見えたんだ、と解説しておられますけど、サンスクリット本では「彼女の女性の生殖器が消えて男子の生殖器が生じ」となっていますから、これはちょっと無理がありますよね。また○○先生はそもそも浄土には男性しかいないという原則があるとおっしゃっておられますが、この説をお話ししたら、ご婦人方は大変な剣幕で、なんと失礼なと怒られました。
 最後に植木雅俊先生の小乗仏教の偏頗な女性観に捕らわれた舎利弗に、女性の成仏が可能なことを説得するための手段として用いられた、という説を紹介したのですが、これでもイマイチ納得してもらえなかったみたいです。いやー、なかなか大変です。

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