植木雅俊先生と読む『日蓮の手紙』

 令和4年10月29日午後2時より、植木雅俊先生を講師にお招きして、仏教講座「『日蓮の手紙』を読む」が開催された。参加者は33名。今回は日蓮宗のみならず、法華宗の教師も参加され、富山県からも4人の教師と寺庭夫人1名が参加された。
 なかでも、耳が不自由にもかかわらず兵庫県三田市から飛行機・電車を乗り継いでかけつけてくれたIさんには、頭が下がるとともに、先生の人気ぶりに驚かされた。耳が不自由なのに講義が聞けるの?大丈夫、音声を即座に文字に変換してくれるアプリがあるんですね。Iさんがお話しされる時は、スマホを使って。手話ができなくても、会話が成立する。便利な世の中になったもんです。
 講義内容は富木常忍・四条金吾・池上兄弟へのお手紙が中心。『忘持経事』は私も何回か御遺文講義で取り上げたことがあるが、うわべだけの薄っぺらなものであったことを痛感させられた。大聖人のもとを訪ねた富木常忍が持経を忘れて帰ったので、修行者に追いかけさせた時に持たせた書状なので、署名も花押も日付も入っていない。何の準備もなくとっさに書いたものであるにもかかわらず、大聖人は『貞観政要』を含む中国の古典や仏教の知識を駆使して、一気に書き上げた。それも対句形式を含む漢文で。大聖人の学識と文章力に驚かされるが、それを解説する植木先生の記憶力にも舌をまいてしまった。
 夕食はおでん屋さんの「長平」へ。一度先生をお連れした店で、家族と金沢に来られた時に行こうとしたのに、たどり着かなかったお店だ。がんもどきを注文された先生、その大きさに驚いておられたが、前に来た時にもその大きさに驚いておられた。流石の先生も、食べ物の記憶力は弱いみたいね(笑)。
 

一覧へ