水をかけた少年

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思いやり。人助け。
 
その気になれば出来そうです。
 
あるお話を紹介します。聞いたことある人もいるのでは。
 
ある高校で、一年生の英語の授業中、一人の男子生徒が急に立ち上がって、
教室を出ていったかと思うと、間もなくバケツを持って戻り、
前の席の女の子の頭の上から水をかけて、全身びしょぬれにした。
驚いた先生は、すぐに女の子に着替えをさせ、男の子に理由を問うが、
一言も返事せず、職員室でも頑として黙秘した。
二年後、家の都合で男子生徒は転校となる。
その時、元の英語の先生が、
「君ともこれでお別れだね。君の級友も間もなく巣立つ。
ところで、あの時なぜ水をかけたのか、よかったら教えてくれないか」
 
「先生、実はあの時、彼女は落ち着きがなく、身体をかすかに震わせていました。
よく見ると下に水が漏れているのが見えたのです。それで水をぶっかけたのです」
 卒業前まで、乱暴な男という誤解を背負って、級友の立場を思う心根の美しさ。
        
(出典 『大乗』平成12年7月号 10頁)より
 
 水をかけた少年

 
深い思いやり。そして助けようとした時の一瞬の判断。これが智慧ある慈悲。
自分が正しいと思う行動に対する覚悟と勇気。
 
恥ずかしい、どうしよう、女の子のことばにならない思い。
 
少年は一瞬でその気持にきづいて、自分を犠牲にする。
 
少年、カッコイイ。
 
心にしみる話です。
 
人の為に何かする時、自分のことを考えてはダメそうです。
 
ずるくて、計算高くて、都合ばかり考えている・・・。
 
そうならないようにしたいものです。
    

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