日蓮宗国際交流会のあゆみ 発足前後

発会のきっかけ 
宗務院伝道部国際課企画:毎年開催されるスタディーツアーにおいて、諸宗教対話を課題として初めて開催された。
2018年10月17日~23日  (会場:ケルン・デュッセルドルフ近郊ヴィッパーフュートにある大聖恩寺)
・諸宗教対話の実践研修 
1、メシェデにあるベネディクト派の伝統的修道院に滞在し、修道士と共に修道生活の基本である祈りと労働(1日4回の祈りと昼間の労働)に参列および就業実習した。ちなみに、当修道院は独立採算制にて運営されている。
2、大聖恩寺はケルン大司教管区内にあることから、ケルン大聖堂へ訪問、大司教管区の代表者との対話を行なった。
3、ケルンには、イスラームモスクもあり、こちらも訪問、法的指導者と信仰的指導者お二方との対話において、イスラームという宗教について学んだ。
4、現在、ローマ教皇の諸宗教対話事業に関する顧問を務めるマチャード大司教・熊本真命山在住・グレコリアン大学教授のシスターマリア・ボン大学宗教学教授のDr.ホプシュ・大聖恩寺主任シュテフェンス法尼らを講師として、諸宗教対話活動の基礎と理念、そして実践経験談を学んだ。
・研修体験による振り返りとして:今後の日本佛教たる日蓮宗の寺院と教師において、諸宗教対話実践に対し大きな可能性を感じた。
その一方で、これまで他の教団に関ることへの準備が不足していることを自覚する。つまり、自らの信仰、日蓮宗の宗教、佛教そのものがそれらを知らない、また、他の宗教観をもって宗教とする人々に対して明らかにする素養がないことに、深く反省の念を抱いた。
・ツアー後の展開:ツアー最後に日蓮宗宗務院国際課佐々木課長より当会の発足の提案がされる
・当スタディツアー参加者を対象として、日蓮宗における諸宗教対話・国際協力・国際交流という三本柱の活動をになう会の発会が約束された。

当会存在の承認
2018年3月の日蓮宗宗会において、正式に日蓮宗の外郭団体「日蓮宗国際交流会」として承認される

当会発会
2019年10月20日~21日 熊本県真命山表敬訪問にて
・発会式:日本国内においての唯一の諸宗教対話活動のための、カトリック教会のお寺である当山が、当会発会にふさわしい処とし、この場を借りて発会する。活動目的として会則にもうたうところは「 菩薩行を手本とし、分け隔てない精神で異なりを受け容れ、民主的な社会共同体の成員であることを前提に、教えにある叡智と救済を、広く社会に届ける人材を育み、目的を同じくする諸団体及び個人と連携することをもって、日蓮宗が護持してきた優れた公共善を本会の活動をもって明らかにする」とした。
・発足会長:釋潮叡  事務局長:阪田祐光

2020年5月26日 第一回総会
・ズームにて実施(コロナによる社会規制が始まっていたため・会員は全国にわたるため、経費節約のため)
・オーガナイザーとして原應仁、研修主任として小高絢華(絢子)が加わる
・諸宗教対話の実践活動が出来る人材育成のため、実践研修会を定期的に開催することを決める
・外部の講師の検討

2020年8月27日 第二回総会
・ズームにて実施
・各会員のこれまでの国際交流の活動を報告するとともに、今後の勉強会の方針が決定
・小高絢華研修主任が数回勉強会を受け持つ(教材は『グローバル時代の宗教間対話』)
・また、国際交流部門でツアーガイドである山澤英尚師が自身の体験を交えた講演を実施することが決定

2020年10月2日 第一回勉強会(諸宗教対話)
・ズームにて実施
・小高絢華師講師
・『グローバル時代の宗教間対話』「緒言」
・かつてキリスト教徒が、第二バチカン公会議にて、キリスト教のフィルターから他の教団を見ていたことを認めたことを受け、我々日蓮宗にもそのような態度が必要になるのではないかという反省がなされた。
・対話は、相手を知ることはもちろんであるが、むしろ、自分たち自身の自己認識を深める上で重要であるということが確認された。つまり、異なる他者を知ることで、自分のことにより深く気づくという現象を実感し始めた。

・また、勉強会後の雑談会にて、このようなオンラインだけでなく、課外研修の実施を求める意見も述べられた。候補として、宗教美術鑑賞(キリスト教絵画などに触れる)、諸宗教の施設(モスク・シナゴーグ)への訪問、かくれキリシタン関連の寺院や施設など。

2020年10月20日 当会発足一周年
・当会公式サイト発足

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