「対話」という出逢い方
Nichirenshu Kokusai Koryu-kai
↑当会発会の端緒となった2018/10のスタディーツアーの様子です
会長挨拶
当会は、2018年10月に日蓮宗において開催されたドイツスタディーツアーに端を発する、
宗教対話・国際協力・国際交流を活動する宗教コミュニティです。
ドイツでは宗教対話についての基本概念を学び、修道院体験研修をし、
ケルンにあるカトリック大聖堂とイスラム教のモスクを表敬訪問した中で、
ある一つの重要な、示唆に富んだ言葉を聴きました。
「キリスト教における我々の神は区別をしない。誰でもわが子として接している」
というバチカンの公式コメントであります。
つまり、キリスト教徒が崇拝する神(御本尊様)は、
異教徒も、無宗教者も差別なく我が子の如く守護し導くという教義理念であるということ。
我々仏教徒においては、もともとこう解釈することは決して難しいことではありません。
しかし現実はどうでしょう。
この認識が持つ重さは意外にも重いことに気づかされます。
なぜなら自分が尊崇する神は、自らを信仰する者のみを擁護する、
信仰しているから優遇されるのであって、信仰していないから救われないという教えと、
信仰者も異教徒も無神論者であろうとも変わりなく擁護すると説く教えとで、
どちらの智慧が勝れているかは一目瞭然です。
最勝の教え、経王と呼ぶべき教えにふさわしい思想性がここにあります。
キリスト教においてこの教義理解を研究するきっかけとなったのは、
人類で初めて仏教を国教と定めたアショカ王の言葉だと言います。
それは
「他の宗教に仕えることこそ自己の宗教を讃える行為である 他の宗教を卑しめる事は自分の宗教を卑しめる事である」
という仏教徒の信条を、
異教徒として学び自らの信仰姿勢を正そうとしたのです。
これが現在のカトリック教会です。
このアショカ王の言葉は、世界史における諸宗教対話の起源であり、
今問われるダイバーシティに対する取り組みの宗教的起源でもあります。
共存や対話というものが行われる上で、
「似ている」はいいけど「同じだ」は危険であるということ、
「異なることに意味がない」から「異なることに価値がある」へと進む社会に
寄り添った宗教活動が当会の活動です。
それは仏教説話が古くから群盲撫象の喩えとして伝える通りであります。
原應仁 拝
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