だんしんきょう 令和2年 6月号

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開催日:2020年06月01日

成田 敏 氏
北海道西部檀信徒協議会長
札幌市瑞玄寺総代
昭和24年5月12日生まれ
趣味:卓球、旅行、読書、クラシックコンサート鑑賞

いのちに合掌
 
 私が菩提寺の札幌市瑞玄寺とご縁を結ばせていただいたのは、平成21年5月に最愛の妻が急逝したことからです。
 生前、妻とお寺の前を通るたびに、「お互いの身に何かあればこのお寺にお世話になろう」と話し合っていました。瑞玄寺を菩提寺と定めたこのご縁により、瑞玄寺総代長の大役と北海道西部管区檀信徒協議会長という大任を仰せつかって今日に至っています。
 伊藤美妙住職は「お寺は檀信徒と地域のためにある。地域に貢献し、地域のために役立つお寺、誰もが気軽に立ち寄ってお参りができるお寺にしたい」と話し、地域貢献のお寺づくりに精進しています。
 瑞玄寺では毎月第1、第3金曜日には寺フェスを開催します。地域の人はもとより、市内に住む高齢者や若い人、子ども連れのお母さんたちが楽しみに参加しています。7月は境内を開放して、町内会と共催でサマーフェスティバル。8月は小学生を対象とした寺子屋の開校。12月はホールを開放して町内会と共催で餅つき大会などを行います。檀信徒だけではなく、未信徒を含めた地域のコミュニティの一角を担っています。
 行事にあたっては、檀信徒をはじめ世話人、婦人部、成年部の1人ひとりが、住職の篤い志をサポートします。住職の指導の下、菩薩行の1つとして、地域に貢献するお寺づくりに向かって励んでいるのです。
 これらの活動を通じて、参加した人たちとの触れ合いが生まれ、さまざまな話題が出てきます。日常生活のこと、地域の情報、お寺に対する考え方など。虐待を受けてせっかく授かったいのちが失われた事件が話題になった時は、「いのち」の尊さを改めてみんなで考えてみました。
 私自身は若いころは、生きていることが当たり前のように考えていました。無茶なことをして親に心配をかけたことも多々ありました。愛妻を亡くし、自分も歳を重ねることでいのちの尊さを改めて思い知りました。
 日蓮聖人は『忘持経事』で述べられているように、私たちの身体は父母からの贈り物なのです。自分のいのちはご先祖さまから脈々と継がれてきた尊いいのちでもあるのです。そんな父母やご先祖さまの恩徳に報いるためにも、お彼岸やお盆には報恩感謝の心で追善供養をさせていただくことが、とても大事なこととなるのではないでしょうか。
 日蓮宗では日蓮聖人降誕八百年を目途に、「いのちに合掌」のスローガンを掲げて「立正安国・お題目結縁運動」を推進しています。お釈迦さま、日蓮聖人、ご先祖さまに守られて生かされているいのちと考えた時、ただただありがたいことと思えてきます。また、ご先祖さまがお題目と結縁したことに感謝し、新たな気持ちで法華経、お題目を読誦していかなければと思いを強くしています。
 

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