だんしんきょう 平成26年 10月号

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今後の寺院とともに(少子高齢化のなかで)
 
 岡山県檀信徒協議会
 会長 岡崎 惇 氏(75)
 
 今後の社会は、宗教界にとって多難な時代となっていくことと思われます。宗教離れといわれて久しい中、地方では年々檀家の高齢化が進み、お寺の役員もバトンタッチがままならないところも増えてきていると聞きます。
 また寺行事などでの参拝も減少しており、わたしの菩提寺でもその傾向が出始めています。その背景には同居・別居の社会における家族構成の変化があります。まずは中堅層の人たちのご先祖さまへの関心を高めてもらうような工夫を考えることが大切だと思います。
 では、何をすべきか?
 その第一歩として、岡山県宗務所では、親睦を兼ねて寺院対抗のグランド・ゴルフを年2回、開催しています。ゲートボールと違い、長さの違うコースを廻るパターゴルフです。成績の良い順に個人・団体で表彰されますので、みんな一生懸命にプレーします。回を重ねるごとに参加者も増え、今では約300人が集まります。顔見知りの人もでき、和気あいあいとした雰囲気で、人気の高いイベントになっています。これをきっかけにお寺やご先祖さまへ関心が高まればと願っています。
 ほかに考えられる次世代教化の方法として万灯があります。万灯は関東などではお会式の代名詞としてずいぶんと盛んなことと思いますが、岡山には広まっていません。岡山県管内では吉備中央町の妙本寺(平野信行住職)が地域だけでなく池上や身延にもお参りするなどして代表的な存在でした。近年は宗務所が中心になって万灯講づくりが呼びかけられ、少しずつですが万灯講が増えつつあります。次世代とのつながりを強固にするきっかけとして有効な方法ではないかと思います。
 また、岡山では昔から多くの寺院・組寺などで修養道場を開催し、「み仏の子」の育成に力を入れています。最近では少子化に加え、参加対象の子どもが塾・習い事・部活などで忙しくなったのか減少傾向ですが、「家や学校で学べないことを得る貴重な場」としてお寺の開催する修養道場に期待を寄せる親もまだまだいます。
 今後のお寺を中心とした社会を考えてみます。私の担当地区を例にしますと、檀家14軒中、1人暮らし3軒(うち1軒後期高齢者)、2人暮らし5軒(後期高齢者3軒)、3人暮らし2軒(後期高齢者1軒)、4人家族は1軒(後期高齢者)、それ以上の大家族3軒です。若い人が少ないのが現状ですので、中堅層にいかに関心を持ってもらうかが寺院活性化の鍵となるでしょう。
 最後に檀家総代(世話人)の役割ですが、お寺に率先して協力し、特に若手の檀家に声がけして先祖が守ってきたお寺の活性化につなげていく努力をすることだと思っています。
 

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