だんしんきょう 平成26年 4月号

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福岡県檀信徒協議会長
福岡市本岳寺総代
瀧 栄司氏
昭和12年生まれ、76歳。趣味は釣り。自分自身に仏の心をもつことをいつも心がけています。常にやさしく、平常心を
 
 あるお寺の山門を通りかかった時のことでした。ご婦人の方が本堂の方に向かって合掌されていました。「どうしてここで拝まれているのですか?」 と尋ねたところ、「足が悪いので、参道の階段を上るのが辛いからここでお参りさせていただいています」と答えられました。
 この頃、世間でよく言われる「葬儀離れ・寺離れ・墓離れ」の言葉を思い出しました。信仰の継続のためのお寺の役目とは何だろうかと考えました。 お寺側が本当に開かれたお寺を目指しているのでしょうか? 高齢化・過疎化・少子化が進むなかで、お寺のよき伝統を残しつつも、檀信徒の拠り所と して現代に即した寺院にならなくてはと思います。
 山門の前で会ったご婦人同様、私も膝を悪くして長く正座ができません。檀協会長という役目柄、いろんなお寺にお伺いする機会がありますが、年配 の人が集まることの多いお寺にバリアフリー設備が整っていないことが多く見受けられます。
 段差を少なくして車椅子でもお参りできるようにしたり、本堂内の椅子席の増加、トイレの洋式化、法事や講習会が快適に行えるようなエアコン設備 の充実。お寺にとって設備投資はたいへんな負担でしょうが、時代の移り変わりを敏感に受け止め、お寺が門扉を広げることでたくさんの人が集い、お 題目の声が響き渡る場になって欲しいと願います。
 以前行った海外旅行先で、バスの車窓から道路を背にして建つ墓石を見たことがあります。ガイドから「日本人の墓石のほとんどが日本の方向を向い て建てられています。これらの墓石は戦前戦後に海外開拓に来た人のもの」と聞きました。その時代の集会所はお墓のそばにあり、月に一度のお参りの 際には、集まって互いの故郷への思いや仕事の厳しさを語り合い、コミュニケーションを取っていたそうです。
 先祖を思う信仰心が先なのか、月に一度の友人たちとの再会が支えだったのか、と考えさせられました。私たち檀信徒も月一度の菩提寺住職を交えて の楽しいひとときを過ごせるよう、皆が集まりやすい環境づくりを心掛けたいと思います。
 
福岡県檀信徒協議会活動報告
         (平成25年度)
 
4月26日 「お題目のつどい」開催 「東日本大震災犠牲者三回忌」「九州北部集中豪雨」
6月18日 総会 決算報告、総本山身延山久遠寺法主・内野日総猊下ご親教の報告など
11月5日 檀信徒研修道場開催
※地区別研修会の開催 筑後組(7月10日)、西筑組(7月19日)、東筑組(10月27日)、福岡組(3月5日)
 このほか、九州教区として10月15~17日、大分県当番で教区檀信徒協議会役員会、教区檀信徒研修道場が開催された。
 
 

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