掲示板「宿福深厚」

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今月の掲示板は、法華経 妙荘厳王本事品第二十七に説かれる「宿福深厚(しゅくふく じんこう)」です。

「如一眼之亀 値浮木孔 而我等宿福深厚 生値仏法」
一眼の亀の、浮木(うきぎ)の孔(あな)に値(あ)えるが如し。
而(しか)るに我ら、宿福深厚にして、仏法に生まれ値(あ)えり。

妙荘厳王本事品第二十七では、法華経の信仰に篤い2人の息子が、バラモン教を信じる父を説得し、最終的にその父を法華経の信仰へと導くことに成功するというお話しです。

掲示板の中に出てくる「宿福」とは、前世に積んだ善根による福徳という意味。
また、「深厚」とは、その意味・内容が奥深いことです。

眼が1つの亀が大海を泳ぐ中、穴(孔)の開いた木に偶然にも巡り会うのと同様に、仏法(ここでは法華経)が説かれる世に生まれて、さらにその教えに巡り会えることがいかに奇跡的であるかを表してます。
そして、その法華経の教えに巡り会える私たちが、じつは前世に積んだ善根による福徳を備えているという意味も含んでいると思います。

仏法とのご縁、法華経とのご縁をどのように捉えるか、今回の掲示板の内容はその答えを示しているように感じます。

※この亀の喩えですが、「盲亀浮木」という言葉も使われます。眼が1つの亀か、盲目の亀かの違いだけで、教えの内容に違いはありません。

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