すみだ北斎美術館で「北斎×プロデューサーズ 蔦屋重三郎から現代まで」が開催されています

 3月17日、すみだ北斎美術館さまからご招待を頂き、「北斎×プロデューサーズ 蔦屋重三郎から現代まで」の開会式と内覧会に行って来ました。

 美術展の内覧会というものに初めて伺ったのですが、館長さん学芸員さんの挨拶や解説を聞き、北斎研究展示の関係者やご親族、プレス等多くの方々がいらっしゃっていて、色んな人の関わりで1つの美術展が開催される事がよくわかりました。

 美術展は蔦屋重三郎を中心に「版元」にスポットを当て北斎の作品を鑑賞するものになっていました。(正法寺の蔦重墓碑写真もご紹介頂きました、ありがとうございます)特に北斎との関わりが初代よりも深かった「二代目 蔦屋重三郎」の活躍業績がよくわかってとても嬉しかったです。「潮来絶句集」を幕府の奢侈禁令の中出版した二代目と奉行所の尋問にも作者を明かさなかった番頭忠兵衛。蔦重・耕書堂の次世代に引き継がれた「気骨」が紹介されていました(二代目もうちに葬られています)。

 その他にも、ドラマでおなじみの「鶴屋喜右衛門」「西村屋与八」も紹介され、「憎まれ役、嫌なヤツ」とは違う江戸の版元としての大きな業績に触れることができます(特に西村屋は鱗形屋から養子を迎えて代を重ね三代目があの「富嶽三十六景」を出版!)他にも北斎漫画を出した「永楽屋東四郎」北斎最後の錦絵シリーズを出版した「伊勢屋三次郎」幕末を代表する版元「森屋治兵衛」など、版元を通して北斎の遍歴を知ることができました。
 因みに里見浩太朗演じる「須原屋」(美術展にも展示ありました)は日蓮宗の経本等出版において大きな関わりがあり、私の先輩である根岸の要伝寺ご住職の素晴らしい記事があります、機会あればご覧いただきたいと思います。須原屋と日蓮宗 大河ドラマ「べらぼう 」こぼれ話〜

 でも一番は、北斎作品の「面白さ」。丸とか四角を使っての簡単な絵の描き方「略画早指南」、へのへのもへじみたいな文字絵の本「己痴群夢多字画尽」など、どの作品にも二百年前のものとは思えない魅力があります。最後には北斎にインスパイアされた現代作家の作品もあります(これも展示会の注目、ぜひ会場でご覧ください)

 初めて伺ったすみだ北斎美術館でした。「すみだ」とあるように公園に隣接し地域に根ざした親しみある美術館と思いました。敷地内には植えたばかりの「北斎」という名前の桜の木があります、来年くらいには他とは違ったピンク色の花を咲かせるそうです、楽しみですね。どうぞ皆様もご来館くださいませ。

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