タモリさんの弔事

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先日、お寺でお葬式が行われました。事前に弔辞の文面についてご相談を受けた際、平成20年に赤塚不二夫さんの告別式でタモリさんが読んだ有名な弔事を、ひさしぶりに読み返してみました。
 
タモリさんらしく軽いユーモアを交えつつも赤塚さんへの感謝の気持ちを伝え、「私もあなたの数多くの作品の1つです。」という名言とともに結ばれた弔事は美しさも感じるほどでした。そして、この約8分に及ぶ弔事は、歌舞伎十八番のひとつ『勧進帳』のように、白紙の原稿を読んでいるふりをしているということでも大変に話題になりました。
 
私は弔辞の中に述べられた、赤塚さんの生き方を評した言葉にも心をうたれました。
 
「あなたの考えはすべての出来事、存在をあるがままに前向きに肯定し、受け入れることです。
それによって人間は、重苦しい陰の世界から解放され、軽やかになり、また、時間は前後関係を断ち放たれて、その時、その場が異様に明るく感じられます。
この考えをあなたは見事に一言で言い表しています。すなわち、『これでいいのだ』と。」
 
これはある意味、とても仏教的な生き方でもあると思います。
 
すべての出来事、存在をあるがままに前向きに肯定し、受け入れること。手を合わせて祈る時、願わくは「これでいいのだ」と思っていただけたら。そのお手伝いができたらいいな、と思います。

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