みんなの心をまぁるくする魔法の言葉~和顔愛語~

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年の始め、1月ももうすぐ終わろうとしていますが、みなさんは本年の抱負は立てられましたか?
『一年の計は元旦にあり!』というように、今のうちにどう今年一年を過ごすかを考えることは大切なことです。
そこで今回は、みんなが一年間ずっといい気分で過ごすことのできる素敵な仏教用語をご紹介したいと思います。
 
『大無量寿経』というお経の中に、「和顔愛語」(わげんあいご)という言葉があります。
「和顔愛語」とは、和やかな笑顔と思いやりのある話し方で人に接することです。
この言葉は、さらにこう続きます。
「先意承問」(せんいじょうもん)。
これは相手の気持ちを先に察して、その望みを受け取り、自分が満たしてあげるという意味です。
つまり、「和顔愛語 先意承問」とは、和やかな顔と思いやりの言葉で人に接して相手の気持ちをいたわり、先に相手の気持ちを察して、相手のために何ができるか自分自身に問いただすということになります。
辛いときや嫌なことがあったとき、愚痴をこぼしたくなるとき、そんなときこそ、まず自分から笑顔と優しい言葉で周りの人に接する姿勢、それが「和顔愛語」です。
 
しかし、自分自身が「和顔愛語」を実践するとなると、簡単ではありません。
気分が悪いときはなかなか笑顔になれないものです。
愛情を感じていない相手に、思いやりのあるやさしい言葉をかけるのも、抵抗があるものです。
そこで大切なのが「先意承問」、つまり「相手のことを先に考えて、与えること」です。
笑顔になってほしいのならば、まずは相手に笑顔を見せることです。
優しい言葉をかけてほしいのならば、まずは相手に優しい言葉をかけてあげることです。
幸せを求めるならば、まずは相手に幸せを与えることです。
自分から先に相手の気持ちを重んじて、相手の幸せを考えるのです。
大切なのは、思いやりです。
その心を仏教では「慈悲」(じひ)といいます。
私たちが穏やかに生きるためには、みんなが「慈悲」の心を持つことが大切です。
自分も相手も、ともに思いやることを心がけていれば、心がまぁるく穏やかになります。
仏道修行の中に、「無財の七施」というものがあります。
これは、財(たから)がなくてもできる七通りのお布施の修行です。この7つの中に、「和顔悦色施」(わげんえつしきせ)と「言辞施」(ごんじせ)という、和やかな顔と優しい言葉を与える修行があります。
これと同じように、「和顔愛語」も修行の一つなのです。
いつも穏やかな顔でいれば、心も穏やかになります。周りにいたわりの言葉をかけていれば、自然と心が優しくなります。
 
笑顔で相手に優しい言葉をかける。
 ↓
相手がその言葉によって心が明るくなり、幸せを感じる。
 ↓
自分が幸せであるだけでなく、まわりの人も幸せにしていこうと感じる。さらにその行動や言葉が、また自然と周囲の人びとの心を明るくする。
 ↓
分け隔てなく、優しく、平和な世の中になる。
 ↓
そんな世の中に生きる自分の心も幸せになる。
 
いかがでしょう?
みんなが「和顔愛語」を心がければ、みんなの心がまぁるくなり、笑顔が循環する素敵な世の中になると思いませんか?
 
まずは身近なところで実践してみましょう。
家庭から、職場から、学校から。
親しい間柄ほど、なかなか実行できないということもあるでしょう。
すぐに笑顔や優しい言葉かけが身につくというものではないかもしれません。
しかし、その努力をするところにこそ、大きな意味があります。
それが一人からでも始められる明るい世の中をつくる一歩であり、あなた自身の仏道修行なのですから。
 
ぜひみなさん、「和顔愛語」を心がけて今年一年を過ごしましょう。

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