立正安国・お題目結縁運動 いのちに合掌

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We are the ones who make a brighter day ☆ 明るい明日を作るのは僕らの仕事

廣榮山 蓮華寺

【Koeizan Rengeji】

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寺ブログ

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老兵たちの旅路

先日、ケーブルTVで『男たちの旅路』(山田太一脚本、鶴田浩二主演)が放映されているのを偶然見つけた。

 

懐かしくて、思わず見入ってしまった。水谷豊も、桃井かおりも、若い。そして、鶴田浩二の素とも演技とも見分けがつかない存在感。特攻隊の生き残りである吉岡司令補が、「若い奴は、嫌いだ。」と言い切る姿が、中学生の私の心に印象深く残った。そして、それから何度か再放送されたり、レンタルビデオなどで繰り返し観たが、見直す度に吉岡の台詞が潔く、そして格好良く思えたものだ。

私の世代は、親や祖父母から「言い切られる」ことに慣れていた。それが家庭での教育であり、家訓だった。そして、その言葉を考える機会があった。現代においては、言い切ることで必ずしも了とはならない。70~80年代とは情報量が圧倒的に違い、ネットなどでそれらを得る手段を握っている子ども達は、親が言い切ろうものなら即座に反論し主張し始める。血の通わないボキャブラリーも豊富だ。

今から30年ほど前、私は日蓮宗系の大学の卒業を控え、4月からは渋谷の東洋医療専門学校に通い始める予定だった。その頃の住まいは、中目黒の一軒家。学友の父上のご厚意で、年が明けてから空き家だったその家に居候させて頂いていた。駅から数分、2階建て一軒家での友人との生活は、貧乏学生の私にはまさに渡りに船、大海で浮木に出会うような幸運であったが…

噂を聞きつけた友人知人、よく知らない人までが1人増え2人増えと、気が付けば男8人が転がり込み、いつしか「訳あり野郎どもの坩堝」と化していた。おまけに月イチで、都内で一杯ひっかけられたお父上が、鎌倉のご自宅には戻らずに中目黒に立ち寄られ、そのまま1週間居座られた
酒豪?大酒飲み?酒乱?アル中?いや、酒呑童子とさえ思えるその飲みっぷりは凄まじく、台所が一升瓶の山で入れなくなるほど飲み続けられた。浴びるほどに酒を飲むという姿を、身を以て体験した。誰かしらお側にいなければならないので、8人が分担してお相手をした。
1週間が経つと、昼も夜もなく続いた酒宴は計ったようにお開きとなり、お父上は御徒町の我が城へと出社され、何事も無かったように1日が始まるのである、次回の悪夢まで(笑)

やはり、特攻隊の生き残りだっ た彼は、若い連中を相手に、滔々と語った。1週間の長丁場だから、当然同じ話の繰り返しになるが、戦場での様子を詳細な描写で、時には大笑いし、時には激 怒して、そして泣き崩れながら話し続けた。みんな迷惑に思っていたろう。何人かは出て行った。私も明日のことを考えると憂鬱にもなったし、中目に戻るのが 嫌になることもあったが、どこかあの吉岡と通じる所を感じていて話の内容もほとんど覚えていた。

それから何年も経ってから、私はあの頃の色々なことに確信が持てるようになった。「月イチの規則性は、本人が意図したもの。私たちと徹底的に話をするため。」
「彼の中では、あの頃の若い特攻の仲間をダブらせて、私たちと話していた。」
「それが、生き残ってしまった自分が、戦友に捧げる供養の一つだと考えた。」

酒を煽り戦場の様子を語ることで、彼の周りには若かったあの頃の仲間が戻って来るのだ。何故そう思うかというと、それは時折話の途中で、聞いたことのない名で呼ばれていたから。
生き残った老兵は、そういった宿命を一身に背負って、生きて来られた。

戦後70年。やがては戦争体験者がいなくなり、日本社会からは戦争の記憶が薄れていく。劇中、杉本洋平(水谷豊)が吉岡に吐露した言葉を思い出す。

あの頃は純粋だったとか、生き死にを本気で考えていたとか。
日本を命を懸けて守る気だったとか、良いことばっかし並べて。
気が付いてみたら、国中が戦争をやる気になっていたとか。
そういう風に、どういう風になっていくのか、そういうこと何にも言わないじゃないか!
俺は、50代の人間には(語り継ぐ)責任があると思うね。

今は亡き鎌倉のお父上をはじめ、重い宿命を背負いながらも、最後まで責任を果たして下さった元軍人の故人様方に、心からの敬意と哀悼の意を表します。合掌

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