「十二支」

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 一般的には中国の「殷」の時代(紀元前17世紀〜紀元前1046年)。
今から3000年以上前に「王充」(おういつ)という人が考えたものと言われています。
 
「十二支」と聞くと「動物」を思い浮かべる人が多いですが、これは一般の人にも覚えやすいようにあとからつけられたもので、「十二支」=「動物」ではありません。
 
 元々、「十二支」は十二年で地球を一周する「木星」の軌道上の位置を示すためのものであり、その「年」を数えるものでした。やがて、それが「月」や「時」を数える時にも使われるようになったというわけです。
 
 十二支を動物に例えると、日本では、
「子(鼠)・丑(牛)・寅(虎)・卯(兎)・辰(龍)・巳(蛇)・午(馬)・未(羊)・申(猿)・酉(鶏)・戌(犬)・亥(猪)」
となっているのは皆さんご存知の通りです。

しかし、国によっては当てはまる動物が異なるところもあります。
例えば、ベトナムだと「丑」が「水牛」であり、「卯」は「猫」であり、「未」は「山羊(やぎ)」になります。モンゴルだと「寅」は「豹(ひょう)」になります。
 
 また、十二支の見方は「動物」の見方以外にもあります。
例えば、「植物」の生命のサイクルに当てはめ、生から死までのプロセスを12段階に分けたものや、中国の「陰陽説」より、陰陽の満ち欠けを「陰」を6段階、「陽」を6段階に分けたものなどの見方があります。
 
以下に「十二支」のそれぞれの意味をまとめて見ました。
その年の大体のイメージが分かって貰えればと思います。
 
「自分の生まれ年は元々はこんな意味だったんだ!」
「今年の歳はこんな意味なんだ!」
 
そんな感じで見て頂けたらと思います。

 
 
◎子(ね)
・「頭が大きく、手足がなよなよした乳児」をかたどっています。
・また、「始め」の「一」と「終わり」の「了」を合わせた文字であり、「物事が終わり、新しく始まる」ことを表します。
・「種子の中に陽気がきざし、生命の芽が生じる」状態を表します。
・ちなみに「ねずみ」歳ではなく「ね」歳と呼びます。
 
◎丑(うし)
・「手の指に堅く力を入れて、ひねる様子」をかたどっています。
・また、紐(ひも)のイトヘンを省略した文字でもあります。
・植物で例えると「陽気が増し、種子の生命が紐のように芽生える」状態を指し、「生命の流れをつなぐ」ことを表します。
・「種から発芽し地面から出ようと地面を押しのけている」状態を表します。
 
◎寅(とら)
・「矢を両手で引っ張る様子」をかたどっています。
・また、「演(のぶる)」のサンズイを省略した文字であることから、「草木の芽が陽春の気によっておどり出た(のぶる)」状態、「芽が伸び始める」状態を表します。
・「生命が躍動する変動」を表します。
 
◎卯(う)
・「同じ形のものを左右対称に置いた状態」をかたどっています。
・また、これは「卯(ぼう)」という漢字であり、これは訓読みで「卯(しげる)」と読むことから、植物で例えると、「地上に出た枝葉が成長し、少し生い茂った」状態を表します。
・「活発な成長」を表します。
 
◎辰(たつ)
・「2枚貝が殻から足(入水管と出水管)を出している様子」をかたどっています。
・また「震(しん)」のアメカンムリを省略した文字であることから、「辰」は「万物がふるい立つ」ことを表します。
・そのため、「陽気充満して草木が伸びざかる」状態を表します。
・「枝葉が繁茂し、大きく揺れる」状態を表します。
 
◎巳(み)
・「蛇の形」または「胎児の形」をかたどっています。
・また、「祀(まつる)」のシメスヘンを除いた文字という説もあります。
・この文字は「已(すでに)」の文字であることから、「陽気の伸長がすでに至り、完全に熟している」状態を表します。
・つまり、「草木がすでに成長しきった」状態を表します。
・ちなみに「へび」歳ではなく、「み」歳と呼ぶ。
 
◎午(うま)
・「杵(きね)」を象っている文字でもあることから、「樹木が盛んに伸び合う」様子を表します。
・また、「忤(さからう)」のリッシンベンを省略した文字でもあり、「陰」が上昇し、「陽」を下退することから、ちょうど「陰陽が分岐」する状態、「大気が変換する」状態を表します。
・「最盛期を終えて衰えを見せ始めた」状態を表します。
 
◎未(ひつじ)
・「味(み)」のクチヘンを省略した文字です。
・また、「大地を覆う木に、若い枝が生えた様子」をかたどっており、そこから転じて「若い」「小さい」「まだ」「いまだ」という意味が生まれました。
・「陽気がどんどん退く」ことを表すため、「草木の実もようやく熟して滋味(美味しい味・豊富な栄養)をもち始めた」状態を表します。
 
◎申(さる)
・「雷や雷光」をかたどっており、大空に雷光が走る様子から「のびる」という意味が生まれました。
・また、「伸(しん)」のニンベンを省略した文字でもあります。
・「草木の実も成熟して滋味を加えたが、いまだ種子の中身はまだ出来ていない」状態から「伸起を重ねる」ことを表します。
・「熟していない実ができた状態」を表します。
 
◎酉(とり)
・「酒を入れる器」をかたどった文字であり、「酒」や「酒壷」などを意味します。
・「醸(かもす)」のつくりを省略した文字でもあります。
・植物で例えると、「草木の実も種子の核を完成させ、生命を次世代にゆだねる」状態を表します。
・「実が完全に熟した」状態を表します。
 
◎戌(いぬ)
・「柄のある斧」をかたどった文字です。
・「戌」という文字は「一」と「戊」で成り立ち、刈り取って束にした草と、刈り取りの刃物を表した象形文字であり、「終わり」を意味します。ここから後に「滅」という字が生まれました。
・植物で例えると「陽気が完全に衰え、草木は冬に備えて根に生気を集める」状態を表します。
・また、別字で「戍(まもる)」という漢字でありますが、それと同じように、「枯れて土に帰り、次の芽を守る姿」を表します。
 
◎亥(い)
・昔は「猪」ではなく、「豚」が割り振られていた。
・「猪」をかたどった文字です。
・また、「核」のキヘンを省略した文字でもあり、「核」は(閉ざす)意味があるので、「万物を収蔵している」状態を表します。
・植物に例えると「草木の種子の核が土の中で守られ、陽春を待つ姿」を表します。
・「芽が出るのを待つ」状態を表します。
・ちなみに「いのしし」歳ではなく、「い」歳と呼びます。

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