曼殊沙華(まんじゅしゃげ)

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 今日は秋分の日、秋のお彼岸法要です。朝晩めっきり涼しくなりました。お寺の境内には彼岸花が満開です。彼岸花は曼殊沙華とも呼ばれますが、曼殊沙華は法華経などの仏典に出てくる空想上の花。サンスクリット語で「天界に咲く花」という意味で、めでたいことが起こる兆しに天から降ってくる花のことです。
 また、彼岸花は死人花とも言われ、墓地や田んぼの畦に群生して咲いていることが多いのですが、それにはちゃんとした理由があるのをご存じですか?一つは彼岸花は球根ががっしりと密集するので、土が崩れるのを防ぎます。もう一つの理由は球根には毒があるので、ミミズが寄って来ません。だからミミズを食べるモグラも寄って来ないということで、遺体を荒らされることがないという先人の智恵だったんですね。
 彼岸花は毎年季節になると咲いてくれますが、去年のお彼岸法要にお見えになった方が、今年はそのお姿を拝見することができない。最近はそんなふうに迎えるお彼岸法要が増えてきたよにう感じます。ちなみに彼岸花の花言葉はたくさんあるみたいですが、その一つが「悲しい想い出」。でも、もう一つ「また会う日を楽しみに」というのもあります。
 お彼岸は貪・瞋・癡(とん・じん・ち)の三毒を克服することを誓う一週間。お彼岸の回向文の中にも、「仰ぎ願わくは一切衆生未だ貪(むさぼ)りの心を離れざる者には願わくは貪りの心を離れしめ、未だ瞋(いか)りの心を離れざる者には願わくは瞋りの心を離れしめ、未だ愚痴の心を離れざる者には願わくは愚痴の心を離れしめ」とあります。
 法要は午後2時から。シリア・パレスチナ・ウクライナをはじめ各地で紛争やテロが続く世界。世界が平和になることを祈って、精一杯努めさせていただきます。

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