今月の法話

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80歳を迎えた高齢者の方を対象にインタビューをし、今一番後悔している事は何ですか?というアンケートに80%の方が答えたのが「もっと勇気を出して行動すれば良かった」という答えでした。80%の方が自分のやろうと思った行動が出来なかったようです。現在95歳の絵本作家のナディーン・ステアさんは、次のような詩を残しております。「もう一度人生をやり直せるなら・・・・今度はもっと間違いをおかそう。もっと寛ぎ、もっと肩の力を抜こう。もっと、愚かな人間になろう。もっと沢山のチャンスをつかみ、行ったことのない場所へもっと行こう。もっと沢山のアイスクリームを食べ、お酒を飲み、豆は無理に食べないでおこう。もう一度最初から人生をやり直せるなら・・・春はもっと早くから裸足になり、秋はもっと遅くまで裸足でいよう。もっと沢山冒険をし、もっと沢山のメリーゴーランドに乗り、もっと沢山の夕日を見て、もっと子供たちと真剣に遊ぼう。もう一度人生をやり直せるなら・・・。だが、見ての通り私はもうやり直しがきかない。私たちは人生をあまりに厳格に考え過ぎて、自分に規制をひき、他人の目を気にして、起こりもしない未来を思い煩ってはクヨクヨ悩んだり、構えたり、落ち込んだり・・・・もっとリラックスしよう、もっとシンプルに生きよう、たまには馬鹿になったり、無鉄砲な事をして人生に潤いや活気、情熱や楽しさを取り戻そう。人生は完璧にはいかない。だからこそ、生きがいがある。」恐らくこの詩を書いたステアさんはこれまでの人生を慎重にコツコツと真面目に生きてきた方なのでしょう。彼女と同じ様に、8割もの高齢者が、自分の人生を振り返った時、思ったような行動が出来なかったことを後悔しています。
私たちの人生は選択の連続です。「後悔先に立たず」ですが、ではどのようにすれば後悔のない行動をとれるのでしょうか。「人がどのように生きればよいのか」を考え抜いたお釈迦様はその答えとして「中道」を説きました。この中道には色々な解釈がありますが、基本的には「八正道」(正見、正思、正語、正行、正命、正精進、正念)が中道です。
八正道を全て説明すると長くなるのでここでは省きますが、八正道の正は真理を意味しますので、自分が不利になろうとも良心に従って真理を選ぶこと、それが中道です。多くの人は自分可愛さのあまり、良心(真理)とは反対の道を選ぶかもしれません。
私なりに簡単に説明しますと、自分の心の奥底にある良心、自分が本当に正しいと思うことに忠実に選択し行動に移しなさい、と釈迦は私たちに教えております。人生の選択に迫られた時は、中道を思い出していただき、後悔しない選択をしていただければと思います。
(康)

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