要伝寺過去帳について

 要傳寺に伝存する過去400年分すべての過去帳類の記録は、デジタル・アーカイブ化されています。過去帳類全点を写真撮影にて保存し、記録された史料の全件を文字情報として電子化して管理しております。個人情報保護の観点から、データ化作業は外注せず、住職ひとりで行いました。
  寺には、「年別過去帳」と総称される時系列の過去帳と、「墓籍簿」と呼ばれる檀徒の墓地ごとに管理された帳簿とが存在します。
  「年別過去帳」は、寛永3年(1626)から大正15年(1927)までの『元過去帳』全6巻・『霊簿』1巻・『新寂簿』2巻と、明治20年(1887)から平成12年(2000)までの記録を統合・整理した『年別引導霊記録』全1巻とがあり、明治・大正期の一部は年代が重複するものの、いずれもデータ化が完了しています(以後、現在に至るまで、年別過去帳・墓籍簿ともに常に更新を続けています)。ただし、江戸期の記録には、俗名の苗字(姓)が記されないものが多く、家系を辿るのが困難な事例が多く存在します。檀信徒各家のお佛壇やお手許に格護されている過去帳・お位牌・家系図の価値はたいへんに大きいので、大切になさってください。
  「墓籍簿」には明治元年から昭和20年までの『旧墓籍簿』全3巻と戦後から現在までの『新墓籍簿』全4巻とがあり、このたびこれらを統合して、データベースを構築しました。こちらは、各家の墓地ごとに埋葬されたご先祖の記録となりますので、明治期以降については、概ね家系を辿れることになります。
  なお、過去帳には、檀徒のご先祖の生歿、住処、続柄、身分、死因など個人情報が多く存在するため、一般に公開することはでません。檀徒の施主(墓地の継承者)からの要請で、正当な理由がある場合に限り、必要な範囲内でのみ開示することになりますので、ご了承ください。

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